野草・薬草のボタニカルアート【セイヨウタンポポ】
2019年12月05日
掲載します全てのボタニカルアートは正山コレクションから選んだもので、大部分が18~19世紀の作品です。やさしいまちに相応しい「野草・薬草のボタニカルアート」を月々掲載致しますのでご期待下さい。
セイヨウタンポポ(キク科)
早春咲く花の中で最も親しみ深い植物の一つと言えるでしょう。開花から1ヶ月もすると綿状の種子を付け、風で飛んで行きます。ヨーロッパやアメリカでは、春先に葉を採取してサラダとして食用にします。近年在来種であるタンポポはほとんど見かけられなくなり、これに代わってセイヨウタンポポが多くなっています。両者の見分け方は、花の下の苞片(ほうへん)が、セイヨウタンポポでは下にそりかえっています。一方、タンポポの苞片は垂れ下がることはありません。両者とも薬効は同じです。根茎(蒲公英;ほこうえい)を煎じて服用すると、健胃、催乳、浄血薬となります。また、喘息や心臓病にも効果があります。タンポポコーヒーも有名です。
本画はウイリアム・ウードビレによる1822年の作品です。
監修・提供:九州大学名誉教授・長崎国際大学名誉教授 薬学博士 正山征洋 先生