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2017年11月28日

最古の「焼酎」記録が残る神社「郡山八幡神社」

建久5年(1194年)に、菱刈氏の始祖が建立したと言い伝えられている郡山八幡神社は、朱塗りの本殿に彫られた細工が実に美しい神社。
やさしい地元の方々によって、代々守られています。
昭和24年に本殿が国の重要文化財に指定されていて、室町及び桃山の手法と琉球建築の情緒が特徴とされています。
廃仏棄釈の痕跡でしょう。神社入り口には、腕を切り取られた仁王像も。

この神社が一躍有名になったのは、昭和29年の修復作業がきっかけ。本殿北東(本殿に向かって右奥)の柱貫の先端に、色を塗って打ち付けられた木片が見つかったのです。それを外してみると、なんと、裏には、落書きがあり、それが焼酎の歴史を辿る貴重な資料となったからでした。

現物はどんな物だったのか?興味津々で社殿を拝していると、神社の掃除をしていた氏子のひとり、児島健次郎さんが、神社で保管されている木片を見せてくださいした。

大工の棟梁によるであろう「この時の住職はまことにけちで、われわれ大工に一度も焼酎を飲ませてくれなかった。なんとも迷惑なことである」という意味の手馴れた文字が並び、永禄2年(1559年)8月11日という日付も読み取れます。
これが、日本最古の記録として残る「焼酎」という文字であり、当時、すでに伊佐では焼酎が庶民の飲み物としてあったことが示され、話題となりました。

鹿児島といえば芋焼酎ですが、室町時代にはまださつまいもは伝来していません。「当時はきびなどで作っていたのだろうと言われていますよ」と児島さん。
しかし、社殿に巧妙に忍ばせた愚痴の落書き。書き手は、このタイムカプセルが開けられる日が来ることを予想していたのでしょうか。想像してみるとなんだか微笑ましいですね。
というわけで、この神社は焼酎神社という名前で呼ばれることも。この地を訪れたら、伊佐美・ 伊佐錦・伊佐大泉など、名物の焼酎もぜひ味わってみてくださいね。
郡山八幡神社
鹿児島県伊佐市大口大田1549
TEL:0995-23-1311